第39回日本脳卒中の外科学会を、STROKE2010として第35回日本脳卒中学会総会、第26回スパズムシンポジウムとともに、平成22年4月15日(木)から17日(土)の3日間、岩手県民会館、盛岡グランドホテル他を会場に開催させて頂きますこと、教室員一同大変光栄に存じております。
本会は、日本脳卒中学会より歴史があることは先生方も御存知と思います。日本脳神経外科学会の近代創成期の先生方が中心となり、故鈴木二郎先生が会長で第一回が開催されております。当時は、日本が国家として全ての面で右肩上がりの時代で、経済だけでなく学問の世界、特に脳卒中の外科では、急性期手術の世界への普及等、現在では想像できないほど世界をリードしておりました。その後多くの実績を重ね、39回という歴史を刻んで来たことに感無量であります。
しかしながら、昨今の医療を取り巻く現状は必ずしも明るいものではなく様々な問題を抱えております。現行の診療報酬を含めた医療制度は、適切な脳卒中医療が制限され、後退している部分もある点は否定できず、国民の幸せの為に、制度改善の働きかけの必要性を痛感している昨今ではあります。従いまして、こういう時代だからこそ、医療への信頼の再構築と、若い脳神経外科医が希望を持てることをテーマの中心に置きました。
今回は、STROKE2010共通テーマとして『脳卒中撲滅―社会とともに―』と題し、社会的特別合同シンポジウムを企画し「脳卒中対策基本法」を取り上げます。また、合同シンポジウムとしては、「脳梗塞急性期再開通療法」「一過性脳虚血発作の新展開と治療」を取り上げました。脳虚血急性期治療の現状を検証し、さらなる治療成績の向上への寄与を目的とした検討が肝要であると考えております。
また、脳卒中の外科学会のメインテーマを『安全な手術と未来へ続く新たな技術』とさせて頂きました。すなわち、安全、確実な手術手技の確立、そしてさらなる治療成績の向上を目指した新たな技術の発展、開発を議論し、国民および我々、特に若い脳神経外科医が未来への希望を持てるように、プログラムを組ませていただきました。未破裂脳動脈瘤およびAVMの安全な治療をシンポジウムとして取り上げました。特別講演としては、Mount Sinai School of MedicineからJoshua B. Bederson教授に脳動脈瘤を、Yonsei UniversityからSeung-Kon Huh教授にAVMのご講演を頂きます。若い会員への希望を持ってもらうために、未来へ続く新技術として医療への応用が期待されているナノバイオテクノロジーの最先端を、東京大学マテリアル工学の片岡一則教授に特別教育講演を頂きます。その他に、非出血性動脈解離の治療、頚部頚動脈病変の治療を取り上げさせて頂きました。また、急性期脳梗塞患者への治療が未だ数%であることを解消するために、市民に脳卒中の診断が「盲腸」と同様に出来るよう、誰でもできる脳卒中診断法としてシンポジウムを組ませて頂きました。
本会が参加される先生方の未来へ向けたさらなるご発展に結びつきますよう、精一杯運営をさせて頂きます。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
第39回日本脳卒中の外科学会会長
山形大学医学部脳神経外科
嘉山 孝正 |